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お茶を淹れて先ほどの場所へ行くとすぐに藤堂さんを見つけることができた
藤堂さんは縁側に座り下を向いて何かしている様子
よくわからないがとりあえず話しかけてみようと近づいた
「お待たせしました。」
にっこりと笑顔を忘れずに声をかけると藤堂さんも後ろを振り返り笑った
その笑顔がいつもより柔らかい気がするのは見間違いではないと思う
「雛ちゃん、おいで。」
藤堂さんが言いいながら手招くので私はさらに近づいて藤堂さんの視線を追う
視線の先には膝の上に伏せる黒猫がいた
「どうしたんですか?
珍しいですね、人に懐くなんて。」
人に触られるのに慣れているようす
なんとなく私も黒猫に触れてみようとてを伸ばした
するとあれだけおとなしかった黒猫が毛を逆立てて私を威嚇
「…………。」
え……?
私なにかしましたっけ?
恨まれるようなことも警戒されるようなこともしていないはずなんですけど……。
「あれ、どうしたんだ?
あんなにおとなしかったのに。」
私には近づきたくない?
やっぱり動物ってそういうのわかるんでしょうか
「ふふ、私は嫌いみたいですね。」
「そんなんじゃねぇよ!
近くに鬼でもいたんじゃねぇの?」
え、ちょ……。
藤堂さん、それ今言うのはまずいと思います。
「…………藤堂さん。」
「ん?」
早く気がついてください……!
いや無理です私の口からは言えません……!
「逃げた方がいいです……。」
「………………え?」
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