第7章 空白の二年間

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山崎さんは少し俯き考え込むとすぐに顔を上げた 「そうですか、わかりました。 調べてみますね。」 「本当ですか?」 山崎さんの声に私も顔を上げると目が合う その目は嘘を言っているようには見えない 「はい、限界はありますけど。 できる限り頑張ります。」 「ありがとうございます。」 素直にお礼を言うと驚いた顔をされた え? 私はお礼が言えないような人に見えるのでしょうか。 「どうかしたんですか?」 私は疑問に思い……というか勘違いされているなのならそれを弁解すべく確認のために山崎さんに尋ねると当の本人は笑顔で答えた 「いえ、観察対象にお礼を言われるなんて始めてですから。」 言うと彼は気恥ずかしそうに笑った 確かに監察対象からすれば監視されているのはいい事ではない お礼を言われることなど滅多にないだろう いやよっぽどのことがない限りそのようなことは一生ない 始めて山崎さんの笑顔を見た気がした それは偽りのない本当の笑顔 私にもこんな風に笑えるときがくるのだろうか
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