第7章 空白の二年間

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「味付けはしたし、盛り付けも終わりましたね。 起こしに行きましょうか…。」 盛り付けの終わったお膳を眺める それから隊士が取りやすいよう並び替えてから台所を出た やはり一番は芹沢局長でしょうか。 「失礼します。」 「ああ。」 芹沢局長に断ってから部屋へ入る まだ起きていないかと思っていればすでに着替えまで済ませていたようだ 以外と早起きな芹沢局長に驚く私がいたのは許して欲しい 「おはようございます。 朝餉ができましたからお知らせに来ました。 まだ隊士も来ていないのでゆっくり来てくださいね。」 「ああ、わかった。」 芹沢局長は顔も洗ってきたようで準備をすることは何もなさそうだ 噂に聞く乱暴な人ではなく寝起きもいいようで安心した 「それでは失礼します。」 「ああそうだ、雛。」 私が部屋から出ようとすれば芹沢局長から声を掛けられた なんだろうかと振り返れば芹沢局長は僅かに微笑んだ 「頑張るのだぞ。」 あまりに急で一瞬固まってしまったが少しして漸く理解する この人は私を女中として認めてくれているようだ 「ふふ、はい。 頑張ります。」 部屋から出ると今度は新見副長の部屋へ向かった 芹沢局長の部屋から近いのであまり移動せずに辿り着ける
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