第7章 空白の二年間

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「それでは失礼しました。」 「ああ、まあ頑張れよ。」 私が部屋から出ようとすると後ろから声をかけられた 一応そういうことは言ってくれるんですね。 「ふふ、はい。 ありがとうございます。」 振り返って返事をしてから今度こそ部屋を出る 次は近藤局長だ 踵を返し先ほど来た廊下を再び歩き出した 「近藤局長、失礼します。」 同じように声をかけ部屋へ入る やはり今日も起きていない近藤局長に近寄り揺すってみた 「ん……?」 お、今日は起きてくれました。 すぐに目を覚ました近藤局長が驚くこともなくなった 私が女中をしていることに漸く慣れてくれたようだ 「朝餉ができました。」 「ああ、ありがとう。」 「はい、それでは失礼します。」 体を起こして礼を言った近藤局長ににっこりと笑ってから部屋を後にした
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