第7章 空白の二年間

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それからしばらく朝餉を食べる隊士たちを眺めていた 朝餉前に稽古をするためみんなお腹が空いていたらしく食べる速度が驚くほど早い あっという間に朝餉が終わり、隊士がお膳を下げ始めるので私も食べ終わった幹部のお膳を片付けることにした 全て台所へ持ってくると今度は皿洗いだ 初めは皿洗いだけに結構な時間をかけていたが、最近はこの場所にも慣れたのか随分と早くなった 皿を全て吹き終わると漸く朝餉が終わった気分だ 台所に下げておいたお膳を持って土方副長の部屋へ向かう 全員部屋へ戻ったようで廊下はとても静かだ 「副長、失礼します。」 「ああ。」 部屋へついて中にいるはずの土方副長に声をかけるとさすがに起きていたようですぐに返事が返って来た 部屋へ入るとすでに布団も片付いていて土方副長は文机の前に座り報告書らしき書類を眺めていた 「朝餉持ってきました。 食べましょう。」 「は、なんでふたつ?」 驚く土方副長の視線の先には私が持ってきたふたつのお膳 私も持ってくるついでに土方副長と一緒にいただこうと残しておいたのだ 「え、私も一緒に食べてはいけませんか?」 「いや、あいつらと一緒に食わなかったのか?」 何を言うんでしょうかこの方は。 私がいると食べられないとでも?
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