第7章 空白の二年間

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いろいろ考えていれば不意に自分の行動が気になった 手元を見てみると何度も雑巾を洗っては絞るというそれはもうとても不思議な行動をしていることに気がつく ああー、やってしまいました。 どうか気がつかれていませんように。 というか見られていませんように。 祈りながら盥を持ち立ち上がった 「クスクスッ。」 すると後ろから笑い声が聞こえてくる どこに笑われる要素が? ……やはり雑巾ですよね。 「ああ、すみません。 あんまり熱心に 洗われていたので、つい。」 やっぱり……。 何がついですか。 大体誰のせいでこんなことに……。 ……私ではありませんよね? 「はぁ、すみません…?」 「ふふ、あなたは謝る 必要はないじゃないですか。」 振り返ると近づいてきているのは沖田さんだった 口元は笑っているのだが目が笑っていない 私は無言で突っ立っているが依然変わらずこちらを見ている沖田さん 口を開くので何を言い出すのかと次の言葉を待った すると想像していなかった言葉を投げかけられる 「そんなに信用されたいですか?」 沖田さんはこちらを見下ろし冷たく言い放った 信用…。 私からすれば正直どうでもいいですね。 でもこういうときはなんて答えたらいいのでしょうか? またまた対応に困っていると沖田さんとは別のもう一人の気配が近づいてくる。 誰かさん、急いでください。 走ってください。 瞬間移動でもなんでもいいから早く来て下さい……!
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