第7章 空白の二年間

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私が言うとそれっきり二人は罰が悪そうにその場に立ちつくしてしまった 漸く喧嘩が収まったのはいいがその場の空気は一向に悪いまま 誰も口を開かずに続く重い沈黙を見るに見兼ねて私から切り出した 「それでは私は失礼します。 お二人はきちんと仲直りしてくださいね。」 軽く笑みを浮かべながら言うと二人は顔を見合わせる おそらくこの二人のことだからわざわざそんなことをしなくても仲直りなど簡単にできるだろう しかしもしこの件で二人が仲違いしてしまったなら私の立場がない ということで念のために先ほどの言葉を告げてから早々にその場を立ち去った こういうときは逃げるが勝ちだ あの場に私がいれば対応に困るだろうしなにより私が一番困る あの状態の二人と同じ場にいるというのは少々気が引けるからだ そうして私は次に掃除をする場所へと移動をした
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