第7章 空白の二年間

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ーーーー・ーーーー・ーーーー 夕餉を食べ終わり皿洗いも終えた その後は湯屋に行くので私は一日に一回は屯所から出ることになる で、一番土方副長が眉を寄せる 確かに間者だという可能性のある私を外に出すのにはいささかよろしいものではないがお風呂くらいは許されてもいいと思う というのも女からの意見であってそれはきちんと許してもらえた 湯屋につくまでの間監視がつくのも仕方が無いことなのだろう 漸く部屋へ戻ったところで布団を敷いて寝る準備をする 副長の部屋で寝ることになり早数日 今日も副長を部屋から追い出すという荒技を使って就寝の時間を迎える 初めは青筋さえ立てていたがさすがにここまでくると何も言わずに出て行くようになった いや何も言わずに自分の部屋から追い出されるのも悲しいと思う だがそんなことを言えば私が追い出されること間違いなしなのでもちろん心の中だけに留めておく ここには誰もいない そんな安心感から今日はすぐに眠ることができた
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