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だが少年は笑った。
現実を受け止めて笑った。
大きな声で笑った。
嬉々――〝鬼気〟として笑った。
殺戮を楽しむ己がいることに何よりも歓喜した。
しばらくすると足音がした。
振り返れば見知った女性が、今にも倒れそうな顔だ。
「あなたが……やったの?」
「だったら、なんだ――」
少年はそう言って刀を向けた。
「――邪魔するなら斬る……」
瞳に宿る暖炉の灯火は、一気に爆発し、暗くて、深い、闇に変貌した。
そして――――――一閃の煌めきが迸る。
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