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田舎アトレアの町にすんでいる僕、ライクはアトレア唯一の学校に通う只の子供だった。
「おーい、ライク!」
家から続く一本道を歩いて学校に向かう途中、僕の前に朝の日光を反射させてキラキラと光る金髪の子供が僕の横に走ってきた。
「やぁサジ、朝から元気だね」
サジは友達の僕から見てもおかしいんじゃないかと言うほどにすごい笑顔で、僕に話しかけた。
「聞いてくれよ!親父がさ、ついに成功したんだよ!」
成功した?あぁ。
「成功したって…前に言ってたあの」
「そう!前世界の遺産の起動だよ!こう、ガチャガチャってなかをいじってさぁ」
ほとんど僕の言葉を無視してサジは父親がやっていたのであろう動きを真似しながら楽しそうに話し始めた。
「すげぇのなんのってその遺産、ブオォォ!ってスッゲェでかい音だしながら四角い箱を光らせてよ、なんかよくわからない文字映しはじめたんだよ!」
「へぇ、それで昨日おじさんうちに来てたのかな?」
僕の父とサジの父は仲が良く、古代文字の研究をしている父のもとに科学者のサジの父はよく足を運んでいた。
「多分な。親父、遺産いじりばっかりで古代文字とかさっぱりだろうし。あーあ、早く遺産使えるようになんないかなぁ」
サジの夢見る少年のような表情に僕はクスッと笑ってしまう。なんかサンタクロースを待つ子供みたいだ。
「んでさ、使えるようになったら遺産使って一儲けすんの!あぁ、でもかーちゃんが売っちゃうかも…」
「まぁまぁ、そういうのは使えるようになってから考えようよ。それより学校、遅れちゃうよ?」
コロコロと表情を変えるサジをスゴイなぁと変に感心しつつ、僕はサジを急がせて通学路を急いだ。
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