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「ほら、ライク!急げって!」
「お前が言うなっ、て!」
あんだけ長々とサジが語ってたせいで遅れてるんだろ!と言いたいのはやまやまだが、そんな余裕さえないぐらい僕とサジは学校の廊下を疾走していた。
(サジ、あとで絶対殴るっ!)
ガラガラガラッ
「おはようございます!」
「おはようっ、ございます…ゼェ、ゼェ」
パタン、となにかが閉じた音で顔だけ前に向けるとそこにはもう担任のエミリア先生がいた。
(あ、これはマズい)
瞬間、走ったからではない冷や汗が僕の背中をタラッとたれた。
「おはよう、じゃあ早速二人とも朝のホームルームが終わるまで廊下に立っておこうか?」
その時、教壇の上で出席簿を片手に微笑むエミリア先生の後ろに僕は確かに黒い炎を見た…気がする。
目を開けると、そこは廊下だった。
(いやいやいや、そんなこと考えてる場合じゃないよ!)
朝から最悪だ。大体何で遅刻して廊下にたってないといけないんだ?むしろ遅れたぶんを取り返すべく真面目に授業を受けないといけないんじゃないのか!?
とか考えたところで悪いのは当然、遅刻した自分だった。
「はぁ、何でこんなことに」
「いやぁ、ごめんな?ついつい昨日の興奮が忘れられなくてさ、話したくてしょうがなかったんだよ~」
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