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普段は獣の鳴き声が響く、奥深くの薄暗い森の中で二人分の歩く音がする。
「メリー、平気かー?」
先頭を歩いていた男が後ろをついてきている女に声をかけた。
「ルト兄さんがこんな割に合わない、魔獣討伐なんて引き受けてーもういや」
男の背を睨みながらうんざりしたような声をあげた。
二人は鮮やかな赤の髪と瞳をしている。
「あはー、だってあんな可愛い子たちに頼まれちゃったら俺、断れなーい」
男の名はルト・キラー。
耳にリンゴが矢に打たれた形をしたシルバーのピアスと腰にはサーベルを下げている。
「…兄さん」
女の名はメリー・キラー 。
メリーはルトの妹。
耳にはルトと同じピアスがあった。
「んー?」
「うざキモイ」
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