第1話

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二人はさらに森奥深くに歩みを進める。 すると大きく開けた場所にたどりつき太陽の光が輝いた。 その場所の真ん中に生えた巨木の葉がキラキラと輝いて見える。 「兄さん、あれって…」 メリーが巨木の下を指差していた。 「!」 指差した場所を見た瞬間、突然、そこに向かってルトが走り出した。 「あ、兄さん!!」 メリーが慌ててルトの後ろを追う。 「君、大丈夫!?」 ルトが膝をつき倒れていた子供を抱き上げる。 「…」 その子は十二、三歳だろうか。 白い肌、腰から下にまで伸びた白い髪、薄いピンク色のふっくらとした唇をしている。 「ケガはしてないみたいだけど…」 メリーがルトに抱えられた子供を見つめた。 「息は…してない」 ルトが悲痛に顔を歪ませる。 「だけどまだ」 ルトはその子を再び横にさせると顎をあげ人工呼吸を試みた。
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