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二人はさらに森奥深くに歩みを進める。
すると大きく開けた場所にたどりつき太陽の光が輝いた。
その場所の真ん中に生えた巨木の葉がキラキラと輝いて見える。
「兄さん、あれって…」
メリーが巨木の下を指差していた。
「!」
指差した場所を見た瞬間、突然、そこに向かってルトが走り出した。
「あ、兄さん!!」
メリーが慌ててルトの後ろを追う。
「君、大丈夫!?」
ルトが膝をつき倒れていた子供を抱き上げる。
「…」
その子は十二、三歳だろうか。
白い肌、腰から下にまで伸びた白い髪、薄いピンク色のふっくらとした唇をしている。
「ケガはしてないみたいだけど…」
メリーがルトに抱えられた子供を見つめた。
「息は…してない」
ルトが悲痛に顔を歪ませる。
「だけどまだ」
ルトはその子を再び横にさせると顎をあげ人工呼吸を試みた。
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