第1話

4/12
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「ん」 ルトの唇が触れた、その瞬間、確かに息をしていなかった子供の体がピクッと動いた。 「え?」 ルトは驚き子供の顔を見ると閉じていた瞳が開かれた。 「…?」 髪と同じ白い瞳にルトの顔が写る。 「大丈夫?」 メリーがぼぅーとしたままルトを見つめる子供に声をかけた。 「?」 その子はメリーが何を言っているかわからないといいたげに首を傾げた。 「立てる?」 ルトがそっと子供の体を起こし立たせる。 「ともかく、良かったよ」 ルトの大きな手が子供の頭を優しく撫でた。 「んー」 気持ちよさそうに目を細める。 「かっ…」 「兄さん?」 何かを言いかけたルトを訝しげにメリーが呼んだ。 「可愛いっ!!」 ルトが突然、叫んだので子供の体がビクッと動く。 「はぁー兄さんの病気がでたか」 そう言ってメリーは頭を抱えたのだった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!