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「ん」
ルトの唇が触れた、その瞬間、確かに息をしていなかった子供の体がピクッと動いた。
「え?」
ルトは驚き子供の顔を見ると閉じていた瞳が開かれた。
「…?」
髪と同じ白い瞳にルトの顔が写る。
「大丈夫?」
メリーがぼぅーとしたままルトを見つめる子供に声をかけた。
「?」
その子はメリーが何を言っているかわからないといいたげに首を傾げた。
「立てる?」
ルトがそっと子供の体を起こし立たせる。
「ともかく、良かったよ」
ルトの大きな手が子供の頭を優しく撫でた。
「んー」
気持ちよさそうに目を細める。
「かっ…」
「兄さん?」
何かを言いかけたルトを訝しげにメリーが呼んだ。
「可愛いっ!!」
ルトが突然、叫んだので子供の体がビクッと動く。
「はぁー兄さんの病気がでたか」
そう言ってメリーは頭を抱えたのだった。
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