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「誰の許しを得て…」
魔狼に強い魔力が帯びるのがルトとメリーには分かる。
「アルビノ様に近づくか」
そう呟いた声が聞こえた瞬間、魔狼が人間の女の姿へと変わった。
紫色の瞳と髪、右手にはレイピアを構えている女だった。
「な、人間に変わるなんて…」
「メリー、下がれ」
呆然とするメリーにルトが声をかけた。
「このお嬢さんの相手は俺がするから、メリーはお姫様を頼む」
「でも兄さん、コイツの狙いはこの…」
この子なのに…。
そうメリーが言おうとした言葉は最後まで発することはなかった。
「メリー」
ルトがメリーを咎めるように名を呼んだ。
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