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延長もしてしばらく経った後、
「失礼します!」
1人のホストが席に着いた。
「はじめまして!伸二です!」
伸二と名乗る彼は、方言混じりの話し方だった。
「どこ出身?」
「九州の福岡!」
そんな他愛もない会話だった。
誕生日が近い事や、同い年など、本当にどうでも良い会話。
だけど、私は伸二と話ている時間がとても楽しかった。
感性が似てるのか、笑いながら話は止まらなかった。
結局、私達は閉店の時間まで飲んでいた。
気が付けば親友はべろべろに酔っていた。
「送り指名して欲しいんだけど。」
送り出しをしてくれるホストを選らばなければいけないシステムだった。
「あたし店長にする~!」
呂律も回っていない親友。
私も迷い無く、伸二を選んだ。
連絡先を交換して、会計を済ました。
「ありがとーございました!」
フラフラな親友を支え、私達は店を後にする。
エレベーターを降り、
「楽しかった!ありがとう!またメールするね!」
伸二の言葉に笑顔で頷いた。
この時は恋じゃなく、ただ楽しかった事で胸がいっぱいだった。
ホストがこんなに楽しいなんて思ってもいなかったから。
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