泡のように消えて。

＊出逢い＊

「祇園とか久々！どこの店ー？」

親友は嬉しそうに、でも少し緊張してるような声で聞いてきた。

私は、いつも先輩に連れて行かれていた店には行きたくなかった。

どうせなら私も楽しみたいからだ。

「適当に歩いてたら、ホストが声かけてきてくれるって。」

そう、此処は京都の繁華街、祇園。

ホストクラブなんて沢山ある。

四条大橋を渡れば、何人かの若い男の子達が声をかけてきた。

「何処行くの～？」

「飲みに来てよ！」

「初回だから安くなるよ！」

様々に声をかけてくる。

その度に親友は小声で私に耳打ちをする。

「無理！不細工！」

「若すぎー。」

「なにあれ？あり得ない。」

親友は意外とうるさい。

確かにお金を払うのは私達だし、吟味するのは当然だ。

だけど、たかが数時間飲むだけなのだ。

私は誰でも、何処でも良かった。