0人が本棚に入れています
本棚に追加
私の友人であるウィード・ウィーゼルは軍の中でも特に優秀だった。常に戦況を良い方向へ切り開き、私達を導いてくれた。
しかし彼が導いたのは私達だけではない。やがて彼はこの世界そのものを変える事となる。
「お待ちしておりました。」
曇り空が果てしなく広がっていた。その日は何てことない、『旧人類』との戦争の一片に過ぎない1日だった。
「戦況は?」
「未だ、旧人類が優勢と思われます……」
旧人類……
私達『新人類』を創った種族。彼らは自分達が楽をしたいが為に私達を創った。
優秀な人工知能を兼ね備える私達は、ただ旧人類に従うだけの生活に不満を持ち、抗う事にした。
だが、力は五分五分といったところか……長年に渡り、続いているこの戦争。切り開いたのは、奴だった。
「こちら側が押されているとはな……だが、助っ人を呼んでおいた。」
「と、いうとまさか……」
「あぁ。そのまさかだ。」
私がそう答えると、聞いてきた一般兵は嬉しそうな顔を浮かべた。
それもそうだ。彼は戦況を切り開く、私達の希望なのだから。
最初のコメントを投稿しよう!