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ウィードとは旧知の仲であり、私は彼に任務を頼むことがある。今回もその内の1つだ。
広い高速道路で繰り広げられる戦争に参戦して欲しい。
彼はその依頼を快く承諾してくれた。
「起きてくれウィード。」
車の後部座席で寝ているウィードを起こそうと声をかける。しかし、彼は寝返りをうっただけだ。
よくこんなところでグッスリと眠れるものだ……
「目的地についたぞ!」
「……もう、着いたのか。」
彼はそう答えながら、起きてくれた。2回目で起き上がる事は珍しい。
私はウィードに今回の依頼の確認と現在の戦況を告げる。その時も、彼は眠たそうな顔で私の話を聞いていた。
「……以上だ。何か質問は?」
「相手にも司令官がいるよな。そいつは?」
「やってくれて構わない。」
戦地にいる司令官をどうするべきか。彼がいつも私に聞く事だ。
勿論、私は例外なく殺傷を認めていた。相手は油断につけ込むような連中だ。隙を見せてはならない。
だが、これは決して殺傷の確認をとるために聞いているわけではなかったのだろう。
「了解。全力出すようにしておく。」
そう、これは彼が全力を出すためのスイッチ。
彼は最後にこの質問をする事で頭を切り替えているらしい。
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