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私とウィードは、小さい頃は都心部から遠く離れた村で育った。
私はそこで生まれたが、ウィードは違う。彼は別の街で生まれたが、その街は旧人類に攻められ、崩壊してしまったそうだ。
ウィードの両親は故人。養子として私の家に招かれたのだ。
ウィードはすぐに家族と打ち解けた。勿論、私もウィードとすぐに仲良くなれた。
しかし再び旧人類が、今度は私達の村へとやって来る。私達は10歳を過ぎていた。
村人の大半は逃げ切った……しかし中には捕まって奴隷となった者もいたと聞く。
なにも出来ずに村から逃げてきた……あの時、私に力があればと今でも思う。
「また思い出していたのか?」
ふと、ウィードが小声で聞いてきた。私は答えなかったが、彼はそれが予想が的中したという事だとしっかり捉えたようだ。
「今更な事だ。あの時じゃ俺もお前も無力で仕方ないだろ。」
「あぁ……だが、」
私が何か言おうとしたのをウィードが遮るように話を続ける。
「昔の事を悔やんだって意味がないだろ。それなら、今をどうにかして未来を変える事を考えようぜ。」
「……そうだな。」
……彼は本当に立派だと私は思う。
彼は二度も住処を奪われた。しかも、一度家族を失っているのだ。それなのに彼は弱音をはかない。少なくとも、私の前で彼が泣くことはなかった。
私よりも悲しみを背負っているにも関わらず、私よりもそれを見せない。
本当に、凄い奴だ。
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