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「紅蓮、もはや風前の灯だな」
『ぐっ・・・なぜ・・・だ』
「言ったはずだ。その結界は貴様の周囲すべてを取り囲んでいると」
『そ、それが・・・なん・・だと・・・』
「わからぬか。貴様はいわば密閉された箱の中にいるも同然、そのなかで貴様は結界を焼き払おうと自らの炎の勢いを強め、それを見て俺はその結界を狭めた。結界の中の酸素が急激になくなり自ら燃える術を失ったのだ。いわば自業自得だ」
『ぐっ・・・』
そして、吉宗は闇鬼の紅蓮を封印すべく念を唱える。
「時の流れに集いし十二支よ。我が唱える天干に力を借りて抗遁(こうとん)し彼の者を元あった姿へ返し給え。癸(き)・壬(じん)・辛(しん)・庚(こう)・己(き)・戊(ぼ)・丁(てい)・丙(へい)・乙(おつ)・甲(こう)」
そして封印の覇気を放った。
「封(ほう)」
紅蓮は吉宗によって封印された。
その後、炎は町をしばらく燃やし続けたが火消達の活躍もあって鎮火され江戸城も半蔵門周辺を焼くことはあったが本丸への延焼は防ぐことができた。
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