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「…で、でもっ」
わたしは必死でフォローしようとした。
「大丈夫です。先生はパッと見、そうは見えないから」
「……」
「……」
「スミマセン…」
「……」
先生は無表情のまま、寂しそうに甘酒を一口啜った。
はるきち…。
そのちょっと凹んだ感じ、堪らなく愛おしいよ…。
あまりの抱きつきたさに手のひらをむずむずさせながら、わたしは先生の横顔をうっとりと見つめた。
「あの…先生」
「ん?」
「…いつになったら、教えてもらえますか」
「…何を?」
「その…。先生が、わたしのどのあたりを、その…」
恥ずかしさにモゴモゴしていると、先生の顔がぐっと近づいた。
「その前に、お前はどうなの」
「え…」
「なんで、俺なの」
「……」
そう言われちゃうと…。
わたしはまじまじと先生の顔を見た。
…わからない。
先生の全てが好きすぎて、…どこかを切り取って、そこが好きだなんて、限定することは難しい。
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