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「なんだか、不思議な感じがします」
「…何が?」
「当たり前のことだけど、あの春山先生も、わたしたちと同じように高校生だったんだんですよね。…すごく不思議」
「そう?」
フジコ先生は、にっこり笑顔を見せた。
「可愛い高校生だったわよ。
今はあんな憎たらしい感じだけど」
「可愛い?」
「そ。すっごく可愛かった」
フジコ先生は、遠く、愛おしそうな目をした。
「時々、びっくりするような大人っぽいことを言ったかと思えば、…本気で青臭いことを語ったり。
危なっかしくて、でもすごくしっかりしてて、…真っ直ぐで、だけどかなりひねくれてて」
「……」
「純粋で、…それでいて、変態で」
「……」
最後のは、余計だと思う。
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