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「やるのかやらねえのか、どっちだって聞いてんだよ」
苛立ったように胡座を揺すらせ、白黒ついた答えを催促するジャック。
「やらないって言っても、無理にやらせるんだろ。
付き合ってもいいけど、おれは深くは干渉しないよ」
煙草をポケットに仕舞うダニーがうんざりした表情で答える。
ふー、とメディがふかせた甘い煙に、ジャックは顔を不機嫌に顰めて煙をはたく。
「やりたいなら初めから素直にそう言え」
「お前、いい加減にしろよ」
ジャックの言葉を聞いて、ダニーがギロリと睨む。
「そんな顔しても怖くないぜ、ダニーボーイ。
とにかく、続けるんなら代わりのボーカルとベースを見付けて来てくれよ」
ジャックが言う。
メディが一呼吸置いて灰皿にトントンと煙草の灰を落としながらボソリと述べる。
「……当たってはみるが、自分でも探せよ。
知り合いなんて数える程しか居ねえんだよ」
「は、情けねえな。」
「偉そうな口を利くなよ。
お前こそ友達いるのか?」
馬鹿にするようにメディを嘲笑するジャックに、ダニーが更に眉の皺を深くする。
何キレてるんだ、ボーイ。とジャックは煽るように返事をして、少しだけ残りがあったコカ・コーラの瓶を一飲みで空っぽにした。
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