プロローグ

2/2
前へ
/35ページ
次へ
「二十歳も越えて、一体何考えてるのかしら」 「音楽もいいけど、そろそろ将来の事も考えないとねえ……」 「仕事もせずに毎日フラフラして……、昼間から酔っ払ってみっともない」 「中卒で引きこもりのアノ子、あんなちゃらんぽらん達に引っ掛かって可哀想に」 「昔から何もできない癖に、口だけは達者なんだ」 「あんな髪の毛して、不良みたいで怖いわ」 「窃盗と強盗で捕まったあの子、今度は高校生の子を強姦したみたいよ」 「ああ、アイツなら今精神病院にいるらしい」 「あそこは親もおかしいからね。  ああなっても仕方ないわ」 「アイツは絶対ヤクやってるよ。でなけりゃ、あの言動は異常だ」 「嘘吐きって言うより、病気よね。言ってることが毎分のように違うもの」 「あの路上で絵描いてる子、毎日違う女の子連れて歩いてるわね」 「俺の隣の部屋に住んでるよ。  毎晩女の喘ぎ声でうるさくて、たまったものじゃない。  家に居てるときはずっとヤってるよ。あの性欲は異常だ」 「ゲイなのね、あの子。女の人と住んでるから、ノーマルなのかと思ってた」 「色んな子から貢がせて……女も、あの子のどこがいいのかね」 「根は真面目でいい子だと思ってたのに、彼女さんにDVしてるみたいね。女の子の顔、見た?」 「二重人格なのか? あいつ。ファンの女の子を殴ったそうだ」 「あんたも、あんな大人になっちゃ駄目よ」 「最低だ」 「社会のゴミ」 「死ねばいいのにね」 「なんで生きてるんだか」 「くず」 「ろくでなし」 「ロックバンドなんて、いつまで続けるつもりなのかね?」 「どうせ、売れないのにね。」  
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加