第一章【バンド、脱退】

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「何とでも言ってやがれ。  とにかく、俺はバンドを続けるからな。  お前らが全員抜けても、だ」  ソファーにふんぞり返ってダニーとメディを一瞥し、ふん、と傲慢そうに鼻を鳴らすジャック。 「好きにしろよ」  ダニーがうんざりしたような表情で音楽雑誌を乱暴に閉じ、自分のポケットの中をまさぐって煙草の箱を探し始める。 「メディはどうするんだ?」  ジャックが言う。  シュボッ、とライターの火を点ける音がする。ダニーの煙草だ。 「何だ? その煙草」 「BLACK STONEだよ」  メディの問い掛けに、煙草を口に咥えたまま、煙をふかせてダニーは言う。 「お前はCAMEL一筋じゃなかったのか?」 「メディはどうするんだ?」  メディの質問にダニーが答える前に、ジャックが同じ台詞を先程よりも大きな声量で怒り口調に述べ、彼の言葉を遮った。  
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