6人が本棚に入れています
本棚に追加
「オレは、よお……勿論、続けたいとは思ってる。
だけど、お前がたった今辞めるっつったばっかじゃねえか。
お前は一体、何が言いてえのか分かんねえよ」
重くのし掛かるジャックの圧に押され、二度目の質問にようやくメディが答えを口にする。
「君のコロコロと変わるその態度に、ジョンもミミルも嫌になってバンドを辞めていったさ。知ってるだろ?
君は少しおかしいよ」
「気が変わったんだ」
何か理解できない物を見るように、引き気味にダニーは言う。
ジャックはそれを聞いて、まるでさも問題が無いように不審を抱くダニーの言葉を流した。
「で、メディは続けるんだな?」
「……ジャックが続けるっつうなら続けるとも。
ボーイ、オレにも一本くれ」
ダニーと同じく不信感を抱いたままジャックの質問に答えた後、メディはダニーに煙草をねだる。
「ボーイは?」
「続けても無駄だと思うけどね」
箱を振って煙草を一本飛び出させ、メディの口元に近付けながらジャックに返すダニー。
ん、と述べながらメディは煙草を咥え、テーブルに転げているライターに手を伸ばす。
最初のコメントを投稿しよう!