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「まあこの台詞は会社の先輩の受け売りなんですけどね」
「素敵な先輩さんなんですね」
「はい!私は先輩を心から尊敬しています」
火星(アクア)という惑星そのものが素敵な奇跡で出来ている。
これは私が火星に来たときに灯里さんから初めて教わったことだ
灯里さんと出会わなければウンディーネを目指そうなんて思わなかっただろう
アントさんと同じように地球(マンホーム)の学校に進学していたに違いない
普通に進学することも考えた
けれども私はウンディーネになることを選んだ
この選択が正しいのかはわからないが、後悔はしていない
私はこの仕事が大好きだ
そしてこの火星(アクア)もネオ・ヴェネツィアももちろん好きだ
灯里さんとの出会い
そのたった一つの出会いが私の人生を大きく変えたのだ
そして今この出会いも灯里さんと出会わなければ、なかったはずの出会い
もしかすると出会いというものそのものが素敵な・・
「奇跡。」
「・・えっ?」
「人と人が出会うことも素敵な奇跡・・なのではないでしょうか?」
「すみません、ちょっと恥ずかしかったですかね」
アントさんが照れ臭そうに言う
「いえ、そんなことはないですけど・・」
私は驚いた
なぜなら私も今全く同じことを考えていたからだ
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