第2章 ~その終わりのない夢は~

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「指導する先輩からは怒られてばかりだったし、周囲からはプレッシャーかけられるし、同期の人は年上ばかりで相談出来る相手もいなかった」 「・・・」 私はただただ聞くしかない 当時の彼女はそうとう悩んでいたのだろう いくら才能のある人材とは言えども まだ二十歳も満たない 慣れない環境と厳しい競争社会の中で闘い続けなければならない 「特にうちの会社は厳しかったからね。成績が低迷していた私はプリマになることが出来ずに会社をクビになってしまった」 そしてこの世界は厳しい 明日香さんだって実力はあったんだ きっと今の私なんかよりずっと それでも、それでも、結果の残すことの出来ない人間はいつかは首を切られてしまう この世界がどれだけ厳しいか 今の自分がどれほど恵まれているかを私は痛感した 「一見華やかに見えるこの世界も、プリマに昇格出来ずくすぶり続けるウンディーネもめずらしくはない。私のように結果を残すことが出来ずに夢を絶たれてしまったウンディーネも・・ね」
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