第1章 ~その素敵な出会いは~

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「すみません、サンマルコ広場って何処にあるかわかりますか?」 「サンマルコ広場でしたらあの建物の突き当たりを右に曲がってもらって、そのまま真っ直ぐ行って頂くとサンマルコ広場に着きますよ」 「ありがとうございます。・・実はネオ・ヴェネツィアに観光に来たのはよかったんですが、友達とはぐれてしまい道に迷ってしまったんですよ」 「それ、わかります。この辺は水路が多くて道に迷いやすいですからね」 ネオ・ヴェネツィアの水路は複雑に入り組んでいて迷いやすい そういえば私も何度も道に迷っていたなあと昔のことをふと思い出す 「実は僕、出身が地球(マンホーム)なんです。昔からネオ・ヴェネツィアに憧れていて、いつかはネオ・ヴェネツィアに行きたいと思っていたのですが、実際に行ってみると友達とはぐれるわ道に迷うわで大変ですよ」 と少年は笑いながら話す 「地球(マンホーム)出身・・」 地球出身という言葉に食いつく 地球出身のネオ・ヴェネツィアファンは少なくはないが、地球と火星(アクア)では惑星が違うのだからそんなに頻繁に来れる場所ではない 少なくとも私が火星に移住してから地球出身のネオ・ヴェネツィアファンに実際に会ったのはこれが初めてだ 「じゃあ僕はこの辺で」 「あの!」 私は少年を呼び止める 「良かったら私が舟でご案内しましょうか?」
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