第4章 その素敵な写真家さんは

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「最初はただ興味があったからということだけだったんですが、実際に乗ってみるといつもと違う景色のネオ・ヴェネツィアを見ることが出来るんです。確かに代金は取られますが、いつもと違うネオ・ヴェネツィアの顔を見ることの出来るこの時間が私は大好きなんですよ」 「ほぉ~なるほど」 地元愛を熱く語るアスターさんを見て、アオイ先輩が思わず感心する 何故だろう 口調は淡々としているのにこの人の地元を愛する想いが言葉の一つ一つにひしひしと伝わってくる 初対面ではあるものの地元を好きだという気持ちに一切の偽りを感じなかった きっとこの人の人格と熱意が生み出したものに違いない 「それと私はウンディーネさんに必ず質問をするようにしているんです。あなたの一番素敵だと思う場所に案内してくださいと」 「あっそういえば藍華さんがそんなこと聞かれたって言っていたような気がする」 と朝美さんが今思い出したかのように呟く 「なんか難しい質問ですよねぇ。わたしなら何処を案内するだろう・・」 「まあ確かに・・でもどうしてそんなこと聞くんですか?」 私もアスターさんに質問する
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