エピローグ

5/6
1252人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
 こうやってヤキモチだって妬かなきゃいけないし、会いたいのを我慢しなきゃいけないしさ。  わたしだって色々精神的に忙しいんだから、もうちょっとだけ優しくしてくれてもいいんじゃないかと思うよ、はるきち…。  一人で勝手にいじいじしながら、再び下校放送の原稿を手に取る。  ふと、原稿の中に野球部の甲子園予選についての項目を見つけ、わたしはその文章を目で追った。  もうすぐ始まる夏の甲子園予選において、会場での応援を呼びかける内容だ。  …先生、また忙しくなるなあ…。  放送部から野球部に移った春山先生は、平日だけでなく土日も、かなりの時間を部活動に取られていた。  さらに、夏は練習時間が延びるので、どうしても疲れが溜まってしまう。  そんな時は身体が心配なので、わたしが出来るだけ夕飯を作りに行ってあげるようにしていた。  疲れていても弱音を吐かずに頑張ってしまう人だから、無理しすぎないように、ちゃんとわたしが目を光らせておかないとね。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!