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*****  片づけを終え、みんなでリビングに集まってコーヒーを飲みながらニュースを見ていると、ふと視線を感じた。  顔を向けると、テーブルから少し離れた場所で、翔平くんがじっとこちらを見ている。  目が合うと、慌てたようにぷい、と逸らされた。 「……」  …くじけないもんね。  よく見ると、彼は何やら、手元にカードのようなものをいじっている。  わたしは中腰のまま、すすすっと翔平君の傍に近づいた。 「翔平くん、そのカード、なあに?」 「……」  無視…。  簡単に折れた心を抱え、しょんぼりと元の位置に退散しようとした時だった。 「…ライダーの、カード…」 「えっ」 「ライダーのゲームで…スキャンするんだよ」 「スキャン?」  翔平くんは、まるでむっとしたような顔で、こちらを見ずに頷いた。  …かっ。  かわいい…っ。  この顔、春山先生にそっくり…っ。  春山先生本人は、反対側に座って真剣な顔でテレビを見ている。 「すごいね、翔平くん。いっぱい持ってるね」  ここぞとばかりにおだてると、隣に胡坐をかいていた和真さんがにょきんと顔を出した。 「俺のこづかいがこのカードに化けてるんだよな、翔平」 「そうなんですか」 「そ。ゲーセンでゲームするのに、一回100円。で、そのたびにこれが1枚、出てくるわけ」 「てことは、1枚、100円…」 「そーゆーこと。…やってるうちに俺もはまっちゃってさ。親子揃って週末はゲーセン通いだよ。うまい商売だよなあ」  苦い顔の和真さんに頭を撫でられながら、翔平くんはちらりとこちらを見た。
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