序章

4/8
前へ
/31ページ
次へ
張任は城門のそばの階段をゆっくり降り、その後ろに兵士が従っていた。 張任 「しかし、我々が最前線ラク城の防衛とは……、呉懿将軍は何をお考えなのだ。 」 張任は背後の兵士に聞こえるか聞こえないかぐらいの声で呟いた。 ----------------------------- 一ケ月前 成都 「張任、お前は冷苞、劉カイ、トウ賢とともに二万の兵を率い、ラク城の防備を固め、劉備率いる荊州軍を迎撃せよ。」 髭を蓄えた大柄の将が大きな声で張任に言い放った。 左目を二分する大きな傷跡は歴戦の強者であることが容易に伺える。 その男は宮中の見事に装飾された椅子にどっしりと構えながら、張任を鋭い眼差しを向けていた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加