序章

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建安17年 ラク城 「遂にこの蜀にも中央の戦火が……。」 高く堅固な城壁の上で、若く凛々しい将が呟いた。 しかしその声は、天然の険を生かしたラク城の空に強く吹き荒れる風によってかき消された。 その風は将が纏う灰色の直垂と、城壁に数多く立ち並ぶ「蜀」の旗をたなびかせた。 年は20を数えまだ間もないと言った容姿に、高身長。 体の線はさほど太くはないが、腰にぶら下げる剣は豪華に装飾され、年齢身分相応ではないといった違和感が醸し出されていた。 「父上、私は劉璋様を……、この国を守ることができるのでしょうか?」
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