後宮

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 この為に延寿は監視付きで後宮に入る事を許され、品定めをしていたのである。  そんな折、後宮入りする前から目をつけていた昭君を延寿は見つけた。監視の目を逃れて、昭君にひっそりと近付き、猫なで声を出して誘惑する。  曰く、昭君がこっそり延寿のものになるのであれば、絵を美女に描いてやる、と。  陛下のお手がついてない昭君とはいえ、後宮に入った時点で陛下に嫁いだ身である。それを、別に好きでもないが、陛下という夫を裏切って内通しろ、とは何事だ、と昭君は断った。  延寿は、恥をかき、誇りを傷つけられたと昭君を恨む。逆恨みというやつだった。
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