遥か遠き国へ

後宮

　そうして、醜く描かれた昭君が、辺境の地へと嫁ぐ事に決まった。

　陛下のお召しにより、百官の前で御前に目通りした昭君。顔を上げた昭君を見て、陛下はその美しさに心を奪われた。

　なんて美しい女性なのだろう。

　そうは思っても後のまつり。もう昭君が辺境の地へ嫁ぐ事は決定してしまった。昭君は、むしろ、閉じ籠るだけの後宮より、外に出られる辺境の地の方が良かったらしく、内心はさっぱりしていた。

　陛下は、内心歯噛みしながら昭君を送り出し、延寿が賄賂を受け取っていた事を知ると、処刑したと言う。

　その後、昭君は、幸せに匈奴で暮らした。