草原

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 そして、呼韓邪単于との間に子も産まれ、漢と匈奴との架け橋になる務めもきちんと果たしていた。子が産まれるくらいには、王昭君と呼韓邪単于の仲は良かった。  しかし、女性として、妻になり、母になって、家庭を作り始めた矢先。  夫である呼韓邪単于が他界する。悲しみにくれる王昭君。しかし、直ぐに呼韓邪単于の長男である復株累単于(フクシュルイゼンウ)が跡を継いだ。彼は、呼韓邪単于の正妻の息子で、王昭君と血の繋がりは無い。  しかしながら、夫の息子ならば、義理の親子ではある。  その義理の息子から、王昭君は、妻になる事を求められた。匈奴では、実の母で無ければ、亡き父の愛妾を息子が妻にすることが出来る習わし。
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