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昭君が年頃になった頃である。後宮へ娘を、という御触れが出る事を知った民達は、とにかく誰でも良いから婿あるいは嫁に出す事に躍起になっていた。
名家や貴族で無くても構わないから後宮に召し上げよ、というわけだ。
そんなことになれば、娘に気軽に会えなくなる。
それゆえ庶民は、御触れがきちんと出る前の噂の段階で、とにかく娘を誰でも良いから適当な男と結婚させた。
昭君の実家・王家は……と言えば。
娘にそれなりの学があることを知っていた父は、多少名が通った家ということも有って、誰彼構わず、婿を取るか嫁に出すか出来ないでいた。
そして、何より昭君は近所で評判の美人だった。
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