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だが、気軽に会えない。手紙も出せない。ただ、思いを馳せるしか無い毎日だった。
そんなある日。昭君が何人かの女性達と庭の散策をしていた時の事。
蛇のような目をした視線を感じた。
その方角を見れば、後宮だと言うのに、男がいる。それも、毛延寿ではないか!
声を上げる事はかろうじてしなかったが、急に立ち止まった昭君を訝り、女達は昭君の視線の先を見て、驚いた。
何故、後宮に男がっ
軽い悲鳴を上げる者。
動揺して惑う者。
どういう事なのか、と誰にでもなく非難めいた口調で声を荒げる者。
昭君は、とりあえず、室内(ナカ)に戻る事を提案した。
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