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この他に、家臣や家来や使用人に至るまで、全員に回して、
「いいか、全員聞け。
このワシ、義明は今年で106歳になる。
正直、歳で体の節々が痛いし、死ぬのを待つだけじゃ。
しかし、今この命令を受けた。
家が栄えるなんて、この上ない老後の喜びじゃ。
今の気持ちを言ってみるとじゃな、
21年は一昔じゃ、そのうちに繁栄したり衰退したりする。
今の平家は、天下を取ってから20数年経っているんじゃ。
能力もないのにレベルの高い職に就いて、多くの給料を思いのままに手にしているんじゃよ。
あんなダメ人間どもの悪行は年々積み重なっておる。
その威張っていられる時期も最後、もうすぐ滅亡するじゃろう。
源氏はこれから繁昌する時期じゃ、何を疑うことがある。
必ず同じ気持ちで頼朝の見方をするんじゃ。
もし、運悪く頼朝が討たれたとしたら、全員で冥土まで行こう。
山賊や海賊をやって死んだら、暇人と言われる上に辱めを受けるじゃろう。
代々守ってきた殿が平家を滅ぼす命令を受けて、戦おうと言っておるんじゃ。
そのお供として死ぬのは、家のためであり、殿のため。
永久に名誉なことじゃ。
頼朝は色々あってこの世で成功していない、
子どもも孫も討ち殺されたっていう仲間たちは、
報酬にがっついたら、繁昌するものも繁昌しないぞ。
だから、マイドン」
と諌めると、
孫や子どもが
「じいちゃん、わかったー」
と言葉を揃えて言うと、
義明
「よっしゃ、ワシってばウルトラハッピー!
ほらほら喜ばせてくれた森長と祝うぞ~」
子・孫
「わかったわかった、今用意するね」
といって、酒や魚に、馬1頭と太刀1振りを揃えて持ってきた。
大介はそれらを森長に向かって、
「まず、これは門出の祝いじゃ。
絶対行くからって言っといてね」
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