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この学校は無駄に土地が広く、第1校庭、第2校庭がある。
今作業している場所は第1校庭で、校舎の目の前にある広場みたいなところ。
夏祭りもここでやるので屋台が置いてあるのだ。
第2校庭から部活動をやっている生徒達の声が聞こえる。
夏休みも部活動をやるなんて凄いなぁ…としみじみ思った。
僕は帰宅部で、特待生で居続けるために普段は勉強をしている。
やっぱり全国トップレベルの生徒達が集まるだけあってかなり勉強も難しい。
暑さでぽけーっとしていたら、急に目の前が暗くなった。
「 うわっ、だ、誰っ?」
どうやら誰かに後ろから目隠しをされたみたいだ。
コタはこういうことをしない。
だからきっと他の誰かだ。
「 だーれでしょー?」
この面白そうに間延びした喋り方をする人を僕は1人知っていた。
「 白哉(ビャクヤ)先輩ですか?」
間違っていたら失礼なので少し声が震える。
「 せいかーい。ご褒美っ」
そういって次はギュッと抱きしめられた。
「 だ、ダメです白哉先輩っ!僕今汗臭いからぁっ」
恥ずかしい恥ずかしいっ
必死に白哉先輩の両腕を掴み引き離そうとする。
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