1071人が本棚に入れています
本棚に追加
/358ページ
「 はい、お茶。」
白哉先輩が僕の隣にコップを置いた。
「 ありがとうございます。」
ゆっくりと隣に座った白哉先輩を見ると、また眉が下がった不安そうな顔をしていた。
びっくりして目を見開く。
「 浩太郎君と喧嘩させちゃった?」
いつもの口調じゃない。
「 い、いえ…そんなことないです。」
なんだかこっちが不安になってきて、無意識に手を先輩の頬に当てていた。
大丈夫だよ。と小さな子供を慰めるように、親指だけを動かして頬を撫でる。
先輩は今にも泣きそうな、苦しそうな表情で、なんとも言えない感情が湧き出てきた。
きゅっと僕の手を握る先輩。
てか気持ち悪くなかったかな?
若干不安になり、そっと先輩の頬から手を離す。
すると急に先輩は僕の手を握ったまま抱きついてきた。
「 わっ…」
片手を先輩の左手と繋いでいたおかげで、上手く体を支えられずにバランスを崩して2人で床に倒れこむ。
これは押し倒された、という表言が合っているかもしれない。
今度こそびっくりして心臓がとまるかと思い、息が一瞬止まる。
「 先輩…?」
「 …駄目なんだ。ハルちゃんの前だと子供みたいになっちゃう。…笑っていいよ?」
そう言われたけど笑えるわけがない。
だってなんか…
先輩が小さな子供みたいな感じがするーっ!!
僕も男なわけだけど、性別や年齢関係なく、可愛い子にはドキドキするんです。
でも先輩は年上の男の人!
失礼だぞ!そう自分に言い聞かせて気持ちを落ち着かせていく。
もう片方の手でそっと背中を撫でると、先輩の身体がピクッと動いた。
最初のコメントを投稿しよう!