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頂いたお茶をコクコクと飲み干す。
「 ハルちゃん…。」
パッと先輩を見ると、またさっきのような不安気な表情になっている。
なんで!?
もしかして、俺と一緒に居たくないんだとか思っちゃってる!?
いや、これはかなり自意識過剰かな?
「 せ、先輩はこれから会計のお仕事もやるんですか?」
「 そうだけど…。」
「 じゃあ、先輩がその仕事終わるまでここに居てもいいですか?」
途端に先輩の顔に光が灯った感じがした。
「 ほんとー?」
「 はい、駄目ですかね?」
「 駄目じゃないよ~。優しいなぁハルちゃんはー。」
なんだろう。
踊らされてる感じがする…
これが俗に言う小悪魔ってやつ?
先輩は普段みんなの前で表情をあまり変化させない。
いつもふにゃふにゃと楽しそうに笑っているだけだと思う。
だからこうして色んな顔を見せてくれるのが僕だけなのかなって勘違いしそうになる。
それは嬉しいことだけど、もっとみんなに感情を露わにしてもいいんじゃないかな、とお節介ながら思っていた。
「 じゃあお仕事任せてもいい~?」
「 もちろんです。ちゃんと役目は果たします!」
ピシッと敬礼をすると先輩はまた素で笑ってくれた気がした。
それからお互いに作業を始め、僕はプリントをホチキス留するだけだったので22時には終わり、
そこから先輩の会計業務を無理言って手伝わさせてもらい、0時前には先輩の業務も終わることができた。
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