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引っ張られたせいで隣にいた白哉先輩の上に倒れてしまった。
何とか膝をつき、掴まれていない左手で体を支える。
一瞬、こんな感じの格好今日何度目だろ、なんて呑気に考えた。
パッと先輩を見ると、イタズラが成功した、とでもいうように微笑んでいる。
「 もう、びっくりした…。先輩頭打ってないです?」
こんなことを言われると思っていなかったのか、先輩の目が少し見開いた。
少し体を動かして足だけでバランスをとり、左手を先輩の首の下に、掴まれていた右手を逆に掴み直して先輩を起こした。
目をパチパチさせている先輩。
「 危ないから引っ張っちゃ駄目ですよ。」
子供を叱るように言うと、途端に吹き出す先輩。
「 ふふ、は~いっ」
途端にぎゅーっと体を抱きしめられる。
お返しに僕もぎゅーっと抱きしめ返した。
「 よしよし。」
綺麗な髪をなでなでする。
こうしていると先輩が猫みたいだとも思える。
でも猫よりも大きいし、何となくライオンみたい。
ライオンの子供…そう思うと物凄く先輩のことが可愛くて愛しいと感じた。
動物大好きなんです僕。
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