結の項「桜吹雪を振り返り、レイカは往く」

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合図と共に、二人の活力溢れる雄叫びが修練場に響き渡る! 『やああぁぁー!!!』 ギリギリと金属の擦(こす)れる音を響かせ、激しい鍔(つば)迫り合いが繰り広げられる。 優勢は… レイカ! (…!?なんて力…!それだけじゃない、こっちの力が入らないように上手く被せてきてる…去年とは比べものにならないくらい成長してますね…!) 力勝負が不利と悟ると、ミズノは力を抜いて一歩退く。 「わっ…」 拮抗(きっこう)していた力が突然消えた事でバランスを崩しそうになるレイカ。 「っと」 しかし、鍛錬によって鍛えられた平衡(へいこう)感覚によって、直ぐにも体勢を立て直した。 だが、ミズノはどんな小さな隙も見逃さず、レイカがしっかり構え直すよりも先に目にも留まらぬ連撃を繰り出す! 「くっ!」 一瞬の虚を衝かれたレイカは連撃を受け切るので手一杯となり、ジリジリと後退を続ける。 「はい!」 レイカの背に扉が触れようとした瞬間、ミズノは身体を一回転させた強力な横薙ぎを放つ!
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