出逢いと別れ

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彼女には3歳の時からどうしても叶えたい夢があった。 その夢はーー【エクソシスト】になること。 理由? そんなものはなかった。 ただ家から出たくて出たくて堪らなかったから。 家から出られるなら理由なんてなんだって良かった。 何故なら、自分はいらない娘だったから。 「……つまんないなぁ。何か面白いことでも起きないかなぁ」 屋敷のなかの平凡な毎日にリースはつまらないと何度も欠伸を漏らす。 タリアス家ーースペインでは結構な資産家である。 そのタリアス家の次女として生まれたお嬢様こそがのちに【エクソシスト】の暴れ馬となるリース・タリアスその人だ。 癖のない真っ直ぐな白い髪と大きな青い瞳は見る人を魅了する。見た目だけなら誰もが彼女を可愛いと絶賛するだろう。 「早く15になりたい……」 リースは生きてきて今まで外の世界に出たことはない。今年で13となる現在まで屋敷に閉じ込められた生活が続いていた。 だけどそれも15までの辛抱。だって15になればどこに行ってもいいとの両親との約束がある。 「……2年は長いよ……2年は……」 だがその15となるまでの時間がリースにはただただ酷く長く感じられた。
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