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. 冬休みが明けて、寒くて起きるのがつらい朝が始まる。 5分おきに鳴る目覚ましを、憂鬱な気持ちで叩いていた毎日。 けれども今日は心機一転。 学校に行くのが、こんなに楽しみで仕方ないのは何年ぶりだろうか。 「行ってきまーす!」 「あら、珍しいわね! 唯がこんなに余裕綽々だなんて。」 雅さんの言葉に、私は笑顔で応えた。 余裕を持って家を出たのには理由がある。 絶対に乗り遅れるわけにはいかない電車。 学校に行くのが楽しみというよりは、この瞬間が楽しみなのだ。 1日の始まりに大好きな人に会えることが……。 早めについてしまった駅のホーム。 白い息を吐きながら、ぱらぱらと舞い落ちる雪を見上げた。 頬に当たる空気が冷たくてピリピリする。 前に風見君に会ったのは5日前だ。 彼が東京から帰ってきた翌日、ふたりで少し遅めの初詣に行った。 初めてのデートは緊張して、けれどもそれに気づかれたくなくて必死にひとりで喋ってしまった私に、風見君は終始優しく付き合ってくれた。 2人でいる時間に、早く慣れたらいいのに……。 そんな贅沢な悩みすら芽生えてしまう。 .
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