【9】

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. 想いが繋がったときから、風見君は私を「唯」と呼んでくれている。 それが他の人とは違いという明らかな証で、私はそれがすごく嬉しくて……。 だから真摯に、その言葉を受け止めてしまった。 「……章、ちゃん……。」 「……。」 「……って、言わせておいて照れないでよ!!」 「唯だって、顔真っ赤だろ!」 そう言って、指先で私の頬に触れる。 たったそれだけで、こんなにも恥ずかしくて堪らなくて、心臓が壊れてしまいそうなくらいに激しく高鳴って。 「唯……。目、瞑って?」 真剣な顔つきをした彼が、そっと呟く。 その言葉に応えるように瞳を閉じると、温かいものが唇に一瞬だけ触れた。 ゆっくりと目を開くと、至近距離にある綺麗な顔。 まだ微かに残っている感触を指で確認しながら、私は彼に言った。 「私……初めて、だったの。」 「……知ってる。」 「風見君が初めてで……嬉しい。」 「俺も、唯の初めてになれて……嬉しい。」 .
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