【10】

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***** 「唯、どうかした?」 「ん、何もないよ! お腹空いたなぁって思って。」 「腹減り過ぎて無口になるとか、余程我慢していたんだなぁ。はい、唯の分。」 そう言って風見君は、私にハンバーガーを渡してくれる。 ちょうど昼時のファーストフードは沢山の制服姿で溢れ返っていて、その中には青陵の制服を着た人も疎らにいた。 「ねぇ……風見君は……」 「何?」 私なんかと、キス以上のことをしたいって思っているの……? 百香の言葉に触発されたつもりはないけれど、一度気になったら頭から離れない性分。 4ヶ月という期間はカップルにとって、どれくらいの価値があるものなのか……。 「その……気になったりしない? こういうところで、知り合いに会わないかなって。」 正直、どうでもいい質問だった。 無理に回避しすぎるにも程がある……。 しかし彼は、特に気にもしない様子で、顔色ひとつ変えずに淡々と答えてくれた。 「……別に気にならないよ。疾しいことしているわけじゃないし。 それに唯は……俺にとって、大事な女の子なんだから。」 「……。」 「……唯は、気になるの?」 .
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